ナマコが地球を救う!?
ナマコは目も耳もありません。
でも音を聞いているかもしれない。
そんなことを考え、大学院で研究し続けているIさんがヤポネシアにいらっしゃいました。Iさんは大度海岸のナマコにスピーカーを使っていろんな音(振動)を聞かせる実験を一日中やっていました。
実験中。
Iさんの研究室は、あの有名な”歌う生物学者”、ナマコ先生こと本川達雄先生の研究室です。
何を隠そう私は学生の頃から本川先生の大ファン。つい最近も先生の
「サンゴとサンゴ礁のはなし」を読んだばかりだったので、Iさんの登場に大興奮してしまいました。
Iさんはあるきっかけでナマコに興味を持ち、水槽で飼いはじめました。自在に固くなったり柔らかくなったり、2つに切ると2匹になったりする、ナマコの不思議な生態にすっかりハマってしまったそうです。
あるときナマコにピアノを弾いて聴かせたら(その発想がスゴい!)体を動かして確かに反応したことから、今のテーマが見つかりました。
もともとは大学で音楽療法を研究していたIさん。一見無関係な「音楽」と「ナマコ」が見事に結びついています。
今では自作の「ナマコの歌」を学会や授業で歌ったり、いろんなイベントでも歌うことがあるそうです。そんな授業なら楽しそうですね!
ヤポネシアでもステキな歌声を披露してくれました。
Iさんはナマコを研究する中で、人間の価値観にとらわれないナマコの世界に衝撃を受け、自分の考えの幅が広がったといいます。
いろんな生物の世界観を知ることで、相手を受け入れることを学び、平和に生きていくヒントが得られるのではないか。
そしてそんな多様な世界観を紹介していくことが自分の仕事だと語ってくれました。
生物学って奥が深いですね。
ナマコは、ほとんど動かないからエネルギーを使わず、必要な分だけ食べて生きるとっても省エネな生き物です。砂を食べて浄化して外に出してくれる海の掃除屋さんでもあります。体の固さを変えることで外敵から身を守り、相手を攻撃することはありません。
人間もそろそろナマコに学んで謙虚で欲張らない生き方をする時ではないでしょうか。そうしたら地球はもっと平和になるなーとしみじみ思いました。
埋め立て、過度の開発、森林伐採・・・沖縄の海もどんどんナマコが住みにくい環境になってきています。
今日もナマコは海の底でジーッと人間の愚行を「聞いて」いるのかもしれません。
(きょうこ)
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