沖縄では今日1月29日が旧正月。
明けて巳年になりました。
「そーがちびーさー」(正月冷え)と言われるとおり、昨日今日は冷え込んでいます。
沖縄のお正月の挨拶では、「わかくないみそーちー」(お若くなられましたか?)という決まり文句があります。
年が明けるとひとつ年を取るわけですが、正月に若返り再生するという風習があるのです。
心身とも、いつまでも若くいられるよう心がけたいと思います。
今年の夏に沖縄本島北部(名護市と今帰仁村にまたがる所)に新テーマパークが開業します。
元ゴルフ場だった跡地に準備されている、「ジャングリア」というテーマパーク。
昨日、その開業に向けた発表記者会見が東京で開かれたそうです。
開業以来2010年ごろまで入場者数が伸び悩んでいたUSJをV字回復したというマーケターの森岡毅氏が率いる「刀」というマーケティング会社が手掛け、沖縄観光の新しい目玉へと目論んでいるようです。
県内の様々な企業が株主となっていて、各メディアも好意的に捉え報道しています。
会見には首相も登壇し、道路や鉄軌道など交通網の整備などに力を入れると強調したそうです。
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「ジャングリアの開業日は2025年7月25日に決定!気になる料金は?新たなアトラクションも発表!」(OKITIVE/2025年1月28日)
しかし、私にはそれがグロテスクな侵略者に見えます。
報道によると「沖縄らしさ全面に集客」と強調されていますが、22のアトラクションは、装甲車に乗って恐竜に追いかけられたり、迷子の恐竜の赤ちゃんを探したり、20mの高さから急落下したり、気球に乗って上空でワインを楽しんだり……と、本来の沖縄とはかけ離れたものばかり。
都会から来る旅行者が解放感に浸り、ハイテンションで刺激的な体験に興奮するという、沖縄を「消費」するものになるでしょう。
沖縄には賑やかな一面ももちろんありますし、経済効果は確かに大きいでしょう。
しかし、静かで豊かな自然や文化、温かい人とのふれあいを求めて来る従来の沖縄旅行とは相容れないものだと、私は危惧しています。
各報道機関では周辺道路の混雑くらいしかテーマパークの懸念材料がないような論調ですが、沖縄の大事なものがなくなってしまいかねないと心配しています。
この記事を書きながら、もうひとつ、大事なものがなくなってしまいそうなニュースが入ってきました。
辺野古の在沖米海兵隊基地建設で、マヨネーズ状の軟弱地盤と言われる大浦湾側への杭打ち工事が始まったとのことです。
軟弱地盤は海面下90mの深さまで達するとされていますが、そこまでの工事は前例がなく、沖縄防衛局は70mまでの工事で対応するとのこと。
安全性に疑問が残る工事で、専門家も費用や工期が膨らむ可能性があるとしています。
当初の予算では3500億円以上と見積もられていた総工費は、19年の防衛省の試算で9300億円となっていて、昨年の沖縄タイムスの試算で1兆2000億円、沖縄県の18年の試算では最大2兆5500億円にも膨らむ可能性があるとのことです。
県は国との事前協議がととのうまで工事を行わないよう求めていますが政府は応じず工事を進めています。
できるかどうかもわからない工事に税金を何千億、何兆円もつぎ込むのはやめて、もっと有効に使ってもらいたいと思います。
正月早々、ありがたくないお年玉でした。
(コースケ)